じゅうのブログ

3度目の引っ越し……こちらでボチボチ更新していく予定です。

『探偵の誇り 日本推理作家協会賞受賞作家傑作短編集 6』 アンソロジー

アンソロジー作品の『探偵の誇り 日本推理作家協会賞受賞作家傑作短編集 6』を読みました。
日本推理作家協会賞を受賞した作家による短編をテーマ別に集めた短編集の第6作です。

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突然の兇行、横たわる死体、立ちはだかる大きな謎。
もはや解決不能と思える難事件を、明晰な頭脳で解き明かしていく。
曾我佳城、巨勢博士、神津恭介、陶展文、仁木兄妹、金田一耕助といった名探偵たちの鮮やかな推理を、とくとご堪能あれ――。
歴史ある日本推理作家協会賞を受賞し、ミステリー界が誇る作家六名による、珠玉作短編集シリーズ第六弾。
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2018年(平成30年)に刊行された作品で、以下の6篇が収録されています。

 ■天井のとらんぷ 泡坂妻夫
 ■正午の殺人 坂口安吾
 ■紫の恐怖 高木彬光
 ■崩れた直線 陣舜臣
 ■暗い日曜日 仁木悦子
 ■霧の中の女 横溝正史
 ■解説 山前譲

突然の兇行、横たわる死体、立ちはだかる大きな謎……もはや解決不能と思える難事件を明晰な頭脳で鮮やかに解き明かしていく名探偵たちの推理をとくとご堪能あれ、、、

歴史ある日本推理作家協会賞を受賞し、ミステリ界が誇る作家6名が生み出した名探偵たちの活躍を収録した珠玉作短編集シリーズ第6弾。

懐かしい時代の香りが漂う昭和の短編推理小説の面白さを堪能できる6篇でした……そんな中で特に印象に残ったのは、

神戸の六甲山麓にあるアパートの一室で若いカメラマンの男が殺された……犯人が狙っていたフィルムに写されていたものは何だったのか? 男が残したダイイングメッセージ「シズカイケ」の意味するものは? 拳法の達人・陶展文の卓抜の推理が冴え渡る、陣舜臣の『崩れた直線』、

仁木悦子が駅前のパン屋へ買い物に行こうと近道の八幡さまの前を横切った際、ケヤキの大木の下に館岡博士の死体が横たわっているのを発見……死の直前に大量のアルコールを摂取しており、死因は卒中による病死と診断されたが、以前飲み過ぎて脳溢血をおこしたことのある館岡は断酒中であったことから、不審に思った悦子が兄・雄太郎の力も借りつつ真相を推理する、仁木悦子の『暗い日曜日』、

霧の深い夜、銀座4丁目にある老舗宝飾店・たから屋に現れた黒いストールと色眼鏡で顔を隠した女が万引きしたことに気づいた店員・牧野康夫が女を追いかるが、逆に刺し殺されてしまい、女は霧の中へ消えていってしまう……数週間後、今度は向島の連れ込み宿・みよし野荘で、Y生命保険会社の専務・長谷川善三が惨殺死体となって発見され、現場の枕元にはたから屋で盗まれたアクセサリが残されていた! 同一犯によると思われる2件の殺人事件を金田一耕助が推理する、横溝正史の『霧の中の女』、

の3篇ですね……ノスタリジックな雰囲気を味わいながら、それぞれの探偵の活躍を愉しむことができました。