陳舜臣のミステリ作品集『炎に絵を 陳舜臣推理小説ベストセレクション』を読みました。
陳舜臣の作品は、昨年11月に読了したアンソロジー作品『探偵の誇り 日本推理作家協会賞受賞作家傑作短編集 6』に収録されていた『崩れた直線』以来ですね。
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陳舜臣の本格ミステリー作品集!
父に着せられた革命資金横領疑惑を晴らそうとする主人公に迫る危機。
やがて明かされる衝撃の真相!? 名作「炎に絵を」、直木賞受賞作「青玉獅子香炉」他1編収録の豪華版。
(鑑賞/折原一、解説/新保博久)
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1966年(昭和41年)から1971年(昭和46年)に発表された3篇を収録して、2008年(平成20年)に刊行された作品です。
■青玉獅子香炉
■永臨侍郎橋
■炎に絵を
■解説 新保博久
■鑑賞――意外で強烈な犯人像―『炎に絵を』 折原一
父にかけられた革命資金横領の汚名を晴らそうと、真相を探る主人公……次々と起こる奇妙な事件、そして殺人、、、
完全犯罪を思わせる結末に、鮮やかなドンデン返し『炎に絵を』。
戦局の拡大とともに大陸を転転と避難する故宮博物院文物……若き玉器彫り職人と模造香炉をめぐる直木賞受賞作品『青玉獅子香炉』。
祖国救亡運動中の劇団で起きた殺人事件の意外な後日譚『永臨侍郎橋』……3作品収録、新編集の傑作集。
陳舜臣のミステリは、歴史の香りと人間の機微が自然に溶け合い、事件の背景にある時間の流れまで感じさせてくれるところが魅力……本作は、そんな陳舜臣の推理小説を精選した一冊です、、、
直木賞受賞作『青玉獅子香炉』は、主人公が心血を注いで贋作した香炉を守ろうとする執念を中心に据え、愛する女性への思慕、その女性の結婚相手への憎悪等を克己する展開が巧みに描かれ、読み応えのある作品として印象に残りましたが……個人的な好みで言えば、ミステリ色が強く、より物語の転調が鮮やかな『永臨侍郎橋』と『炎に絵を』が心に残りましたね。
『永臨侍郎橋』は、殺人事件の後日譚として描かれ、誰も被害者に近寄れない橋のたもとで起こった殺人という屋外密室の謎に加え、関係者全員にアリバイがあるという二重の不可能状態を成立させるトリックが印象的……迷宮入り後に偶然に真相に肉薄した当事者が、そのために新たな悲哀を味わう構成が読みどころでした、、、
表題作『炎に絵を』は、まさに陳舜臣の技巧が光る一篇……病に伏している兄と嫂からの強い依頼で、亡父にかけられた革命資金横領の汚名を晴らそうと過去を調べる展開から、身近に起こる奇妙な出来事、そして殺人事件という完全犯罪を思わせる流れに、産業スパイまで絡みつつ、最後に鮮やかなどんでん返しに次ぐどんでん返しが決まり、終盤の反転が強く響く作品で、本格ミステリとして愉しめました。
歴史的背景や文化の香りをまといながら、ミステリとしての面白さもきっちり備えた短篇集でしたね……陳舜臣の多面的な魅力を味わえる、満足度の高い一冊でした。
陳舜臣の作品は、昨年11月に読了したアンソロジー作品『探偵の誇り 日本推理作家協会賞受賞作家傑作短編集 6』に収録されていた『崩れた直線』以来ですね。
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陳舜臣の本格ミステリー作品集!
父に着せられた革命資金横領疑惑を晴らそうとする主人公に迫る危機。
やがて明かされる衝撃の真相!? 名作「炎に絵を」、直木賞受賞作「青玉獅子香炉」他1編収録の豪華版。
(鑑賞/折原一、解説/新保博久)
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1966年(昭和41年)から1971年(昭和46年)に発表された3篇を収録して、2008年(平成20年)に刊行された作品です。
■青玉獅子香炉
■永臨侍郎橋
■炎に絵を
■解説 新保博久
■鑑賞――意外で強烈な犯人像―『炎に絵を』 折原一
父にかけられた革命資金横領の汚名を晴らそうと、真相を探る主人公……次々と起こる奇妙な事件、そして殺人、、、
完全犯罪を思わせる結末に、鮮やかなドンデン返し『炎に絵を』。
戦局の拡大とともに大陸を転転と避難する故宮博物院文物……若き玉器彫り職人と模造香炉をめぐる直木賞受賞作品『青玉獅子香炉』。
祖国救亡運動中の劇団で起きた殺人事件の意外な後日譚『永臨侍郎橋』……3作品収録、新編集の傑作集。
陳舜臣のミステリは、歴史の香りと人間の機微が自然に溶け合い、事件の背景にある時間の流れまで感じさせてくれるところが魅力……本作は、そんな陳舜臣の推理小説を精選した一冊です、、、
直木賞受賞作『青玉獅子香炉』は、主人公が心血を注いで贋作した香炉を守ろうとする執念を中心に据え、愛する女性への思慕、その女性の結婚相手への憎悪等を克己する展開が巧みに描かれ、読み応えのある作品として印象に残りましたが……個人的な好みで言えば、ミステリ色が強く、より物語の転調が鮮やかな『永臨侍郎橋』と『炎に絵を』が心に残りましたね。
『永臨侍郎橋』は、殺人事件の後日譚として描かれ、誰も被害者に近寄れない橋のたもとで起こった殺人という屋外密室の謎に加え、関係者全員にアリバイがあるという二重の不可能状態を成立させるトリックが印象的……迷宮入り後に偶然に真相に肉薄した当事者が、そのために新たな悲哀を味わう構成が読みどころでした、、、
表題作『炎に絵を』は、まさに陳舜臣の技巧が光る一篇……病に伏している兄と嫂からの強い依頼で、亡父にかけられた革命資金横領の汚名を晴らそうと過去を調べる展開から、身近に起こる奇妙な出来事、そして殺人事件という完全犯罪を思わせる流れに、産業スパイまで絡みつつ、最後に鮮やかなどんでん返しに次ぐどんでん返しが決まり、終盤の反転が強く響く作品で、本格ミステリとして愉しめました。
歴史的背景や文化の香りをまといながら、ミステリとしての面白さもきっちり備えた短篇集でしたね……陳舜臣の多面的な魅力を味わえる、満足度の高い一冊でした。
